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「100年に1度の「3D」と「CASE」、実は根っこは同じ」

(2018年6月29日)

エネルギー(特に電力)と自動車の両分野で「100年に1度」とも言われる大きな変化が起きつつあることを本コラムの読者諸兄ならご存じかと思う。それぞれ、「3D」および「CASE」として知られる。

念のためその意味を記すと、3Dはデジタル化(digitalization)、分散化(distribution)、低/脱炭素化(decarbonization)の頭文字3つ、CASEは、つながるクルマ(connected car)、自律運転(autonomous vehicle/driving)、シェアリングエコノミー(sharing economy)、電動化(electrification)の頭文字を繋げたものだ。いずれも我々の経済や社会に大きな影響をもたらすことが確実だが、実はその背景にある要因はほぼ同じである。

また、現在注目されているいくつかの新技術がそれらを実現するうえで大きな役割を果たすが、そこでも共通点が多いことに留意しておきたい。具体的には、エネルギーのデジタル化は、直接的にはスマートメーターによるが、それによって得られたデータはAI(人工知能)やビッグデータ解析によって新しいサービスやビジネスの創出に役立つと期待されている。

分散化では、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーのアグリゲーション(集約)やピアツーピア(P2P)取引でブロックチェーン(分散型台帳)技術の活用が注目されている。脱炭素化では、再エネの平準化や需給調整に欠かせない蓄電池がカギを握る。

これらを見ると、クルマのCASEにそれぞれ共通した部分が多いことが分かる。すなわち、つながるクルマや自律運転ではデジタル化技術、具体的には5Gなどの無線通信とインターネットへの常時接続、さらにはビッグデータ処理やAIの活用が見込まれ、電動化ではやはりリチウムイオン電池や全固体電池といった蓄電池がカギを握っていることも同じだ。

シェアリングエコノミーについては、分散電源とどう関係があるのか分かり辛いかもしれないが、太陽光の電力をP2Pで分かち合うといったエネルギーの利用シーンは、カーシェアリングやウーバーのような配車サービス、ライドシェアといったクルマの分かち合いによる利用と相似の関係にあると言えば納得して頂けるだろうか。

他のシェアリングエコノミー分野と同様、ブロックチェーン技術が今後大きな役割を果たすと思われる。ちなみに、ブロックチェーン技術は自動車分野ではシェアリング関連以外にも有料道路や駐車場、充電などにおける決済、電動車両の駆動用バッテリーの使用履歴の追跡管理、走行距離データの改ざん防止など様々な用途で活用が進むと見込まれている。

エネルギーの「3D」とクルマの「CASE」。持続可能な経済・社会の実現と共に、我々の暮らしをより便利で快適なものに進化させていくうえで、いずれも今後ますます重要となる変革と言えるだろう。


◎宜しければ、ブロックチェーン技術に関する意識調査にご協力下さい。
(所要時間:約1〜3分):

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大場淳一(株式会社テクノアソシエーツ プリンシパル)

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