コラム > 2017年9月

「電気自動車、普及の転換点はいつなのか?」

(2017年9月29日)

電気自動車(EV)に関する話題が、最近非常に多くなってきた。

筆者は仕事柄、環境・エネルギー分野の技術や市場の動向を常に注視しており、EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)の普及動向も、この数年来のカバー範囲の一つとなっている。

量産型のEVが市場に投入されて以来、EVやPHEVの運転体験も含めて、この分野の情報収集や動向把握には敏感な方ではあるが、今年は明らかにこれまでと違った動きが起きつつあると感じている。

その背景の一つにあるのは、英国やフランスなど欧州の主要国が「2040年」といった具体的な期限を決めて、化石燃料と内燃機関で走る従来車の撤廃方針を発表したことだ。
欧州だけではない。アジアでは、世界第2の経済大国となった中国が欧州に続けとばかりに、従来車の販売禁止時期の検討を開始したことが最近大きく報じられた。

もちろん、エンジンも積み化石燃料と電気のどちらでも走れるハイブリッド車(HEV)やPHEVはともかく、電気だけで走る純粋なEVに関しては、普及は極めて初期段階にある。
一般消費者であれば、EVなどまだ運転したことすらない人が大半であろうし、その普及は相当先になると考えている人が多いであろう。確かに、現時点では、EVに関する報道の多くが話題先行といった印象で、実需を反映しているとも思えない。
筆者もEVが普及するうえでの課題は十分に理解している。少なくとも2020年までのあと2年あまりでEVが広く普及しているとも思わない。

ただ、今後も地球の人口が増え続けること、エネルギー需給や気候変動といったグローバルな問題を解決する必要があること等を考えると、将来、どこかの時点でクルマの主要な動力源が、約100年間も続いた化石燃料から電気へと転換することがほぼ確実に起こり、この流れは不可避だろうと見ている。

問題は「その転換点が、いつ来るか」である。

未来を正確に予測することは、一般には非常に難しい。それもスパンが長期的になればなるほど、予測は困難になる。とはいえ、前述のように世界の主要国が政策としてEV普及を打ち出したため、それらの時期が一つの節目になる可能性が高まったとは言えそうだ。つまり2040年頃を節目に、二次電池の技術やコスト、充電インフラの整備状況、気候変動対策の動向といったいくつかの変数を考慮に入れつつ、EVやPHEVがどこでどの程度まで普及するかを考えれば、それなりの予測もできるのではないかと感じている。

前述のようなグローバルな政策動向を中心に考えると、遅くとも2050年代までにクルマのパワートレインは電動化されたものが主流になり、業務用車両の一部や趣味の範疇といった限られた用途以外では内燃機関がほぼ淘汰されているのではないだろうか。場合によっては、各国政府の戦略や思惑などから、もっと早まる可能性もある。逆に、電池コストが予想ほど早く下がらない、充電インフラの整備が進まない…といった状況があれば、2050年代になってもまだEVの普及が進んでないこともありうる。

今回、この本コラムを通じて筆者の考えをお伝えするだけではなく、読者諸兄の皆さんが、どのようにお考えかも是非お知らせ頂ければと試験的ながら本コラムの作成中に思い至った。

そこで、一問だけのごく簡単なアンケートを用意させていただいた。

ご回答には以下のリンクをクリックして、アンケートページを表示していただきたい。選択肢のボタンを一度クリックするだけで、回答時間も1分もかからないので、ここまでお読みになられた方には、是非ご協力を頂ければ幸いである。

なお、本アンケートの結果に関して、一定の回答やご意見が得られた場合、本メルマガなど、何らかの形で皆様にお知らせする予定である。


■「EVに関する意識調査」
 https://jp.surveymonkey.com/r/Q8XC3JT


大場淳一(株式会社テクノアソシエーツ プリンシパル)

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