コラム > 2016年12月

「『AIの使い方』と『AIによるコンサルティング』」

(2016年12月27日)

現在、AI(人工知能)は新薬開発や医療診断をはじめ、多くの分野で成果を出しつつある。自動運転の制御では目覚ましい進化を遂げ、技術的には既に人間の能力の数倍レベルにも達している。

今後はデザインや事業を創造したりするようなクリエイティブな分野のほか、さらIBMや日立が目指しているような会社経営を支援するサービスでも期待されている。

当社もそうだが、コンサルティングの分野でも他人事では無くなってきたようだ。AIを使ったコンサルティングに対しては1時間数千円のような安価なサービス内容から、外資系大手のコンサルティングが手掛けるものまですでに多くの企業が取り組んでいる。

AIを単純表現に言い換えると「入れた情報に対し、各種データベースやネット上のあらゆる情報から合理的な答えを導き出すもの」である。

まだ精度の面で多くの課題が残されているが、いずれは高度に洗練されていくことは明白である。今後、人間に残された部分は、「課題に対する条件の入力」と「導き出された選択肢から、どれを選ぶのか」といったところになるのだろう。

つまり、今後重要になってくるのは、「どのAIにどんな情報を入れるのか」である。ここでの付加価値は、「いかに条件を入力するか」ということになる。

従来のコンサルティングに求められるスキルは、「各専門分野における経験や知識」、「信頼性の高い評価や判断を下す論理的な思考」といったものだが、これらはAIが得意とする内容とも解釈できる。

創造性やクリエイティブといったテーマも上がってくるかと思うが、これもまた、「条件の入力・設定と解析結果の選択」に依存する部分が大きい。

AIを使ったコンサルティングの差異化点は、質の高い問題を提起し、導き出される回答の精度を上げることに尽きる。検索画面に何を入れるかによって、出てくる内容が違ってくることと同じ理屈である。

従来、コンサルティングとは顧客であるクライアントの問いに対し、「いかに答えるか」、つまり回答する側であるはずだが、面白いことにAIを使った将来のコンサルティング業務とは質問する側になってしまうのである。

しかし、これも単純にはいかない。何しろ質問の答えは、顧客によって違うケースも多い。例えば、顧客がいつ、どのような段階にあるのかによっても異なってくる。

AIの進化が一定レベルに達した時、今後のAIを使ったビジネスでは、「どんなAIの技術が優れているのか」より、「どうAIを活用するのか」に付加価値が生じるのだろう。

最後に、コンサルティングのような業務も、ある部分はこれらAIが取って代わることになるだろう。ただし、これはコンサルティング業務に限ったことではなく、一般の業務にも当てはまってしまうのである。

木村勲(株式会社テクノアソシエーツ マネージャー)

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